貧乏旅行の話

23.クメール遺跡を訪ねる2

プラサート・ピマイ

プラサート・パノムルン

ワット・プー

プラサート・プラ・ヴィハーン

プラサート・ピマイ (PRASAT PHIMAI)

 タイ東北部イサーンの主要都市コラートの北東60kmに位置する。ピマイ郡ピマイ市にある11世紀頃に建設された古代クメール寺院遺跡である。都市は幅565メートル、長さ1030メートの長方形で壕で囲まれていた。さらに四方を川と運河で囲まれている。寺院遺跡は都市のほぼ中央にあり二重の壁で囲まれている。寺院はアンコールワットを模し、大乗仏教形式で建設された宗教儀式場であった。古代の道路はクメール王国の首都アンコールワットへ通じていた。
 遺跡周辺には博物館、凱旋門、仏塔、運河、船着場などの遺跡が残されている。

 1960年代後半に修復工事が行われており、外観の見た目は綺麗である。1989年ピマイ国立歴史公園として開園される。
 タイ観光局ではクメール遺跡について、"Khmer Cultural Route - Stone Sanctuaries in Lower Isan"という27ページの無料案内書を発行している。英語版、タイ語版がある。

入場料:遺跡40バーツ、博物館30バーツ(2002年3月現在)

交通手段
 タイ東北部イサーンの主要都市"Khorat"より、"Phimai"市への直通バスが出ている。距離は60km、所要時間は約2時間。

竜王橋とゴプラ
回廊と中央祠堂
 
中央祠堂前室
デバター

プラサート・パノムルン (PRASAT PHANOM RUNG)

 ブリラム市の南50km余りに位置するクメール遺跡。ブリラム県チャランプラキアト郡ターペク町パノムルン山頂にある。12世紀頃に建設されたバプーオン様式のクメール寺院である。建設当時はヒンズー教シバ神が奉られていたが、後に仏像が安置されている。現在は中央祠堂に安置されていたシバリンガ、ヨーニは失われている。

 遺跡のある場所は山というよりは丘陵の頂である。遺跡入口より真っ直ぐに参道が延びている。第一竜王橋を渡り、50段ほどの階段を上がると広場となる。さらに進むと第二竜王橋となり、中央祠堂を囲む回廊に達する。
 この遺跡は1935年国宝に指定される。1970年代に大規模な修復工事が行われ、1988年パノムルン歴史公園として開園される。

 今回の訪問ではバスを分岐点"Ban Don Nong Nae"で下車した後、ソンテウ(小型乗合トラック)が捕まらなかったため歩くことにした。距離は約6km、歩いているとソンテウが追い越して停車した。この車でパノムルン山の登り口まで行く、さらに歩いて舗装された坂道を登り遺跡へ向かう。裏口から遺跡に入り、寺院遺跡を見学の後参道を通り正面入口に行く。ここは駐車場、土産物店が並びかなり賑やかであった。休日はタイ人観光客で混雑しているようだ。
 帰りはパノムルン山の登り口までソンテウで行き、道路を歩いているとソンテウが停車した。この車で"Nang Rong"まで行き、バスにてコラートへ戻る。

入場料:40バーツ(2002年3月現在)

交通手段
 "Buriram"市の南50kmに位置する。"Ta Pek"町よりソンテウにて行くことができるが、かなり不便な所にある。
 タイ東北部イサーンの主要都市コラートより"Surin"行きバスにて"Ban Ta-Ko"下車、ここより遺跡へ行くソンテウを探すか、"Ban Don Nong Nae"までバスで行き、ソンテウまたはバイクタクシーなどを利用することになる。

参道と第一竜王橋
第一竜王橋と広場への階段
 
第二竜王橋と回廊
回廊と中央祠堂

ワット・プーWAT PHU

 ラオス南西部チャンパサック県にあるクメール遺跡。現在はワット・プーと呼ばれ、神殿内部には仏像が安置されているが、かつては「リンガ・パルパタ」と呼ばれたヒンズー教寺院であった。

 遺跡入口を入った左側に小規模な新しい博物館がある。リンガ、ヨーニ、仏像などが展示されている。遺跡は山麓部、上部神殿に分けられる。山麓部にはバライ、テラス、参道、左右に宮殿がある。上部にはシバ、ビシュヌ、プラマ神が奉られた小さな神殿がある。山麓と上部神殿は真っ直ぐに延びる急な階段で結ばれている。遺跡の規模は小さいが初期のクメール遺跡としての価値があるようだ。
 私が訪ねた5月下旬は観光客も少なく静かであった。がれきの山と化した宮殿内部の回廊で、若い男女が逢い引きをしていたのが印象的であった。

 チャンパサックはクメール民族発祥の地とされる。ワット・プーは7世紀から12世紀に掛けてに建造された。
チャンパサックとワット・プーは2001年ユネスコ世界遺産に登録される。
 現在パクセが県都であるが、もとはチャンパサック王国の首都であった。現在のチャンパサックは静かな町、と言うよりは村である。メコン川と並行して走る舗装された一本の主要道路沿いに木造家屋が建ち並ぶ。夕刻には物売りの姿などが見られ、ゆったりとしたラオス人の日常生活が其処にはある。

入場料:30,000kip(2004年5月現在)

交通手段
 ラオス南西部の都市パクセより直通バス、又はトラックにて行くことができる。パクセより国道13号線を南下、"Ban Muang"にてバスは右折する。しばらく走るとメコン川に到着。河を小さな木造フェリーボートにて渡り、チャンパサックの中心地はさらに2km程先となる。日帰りの場合には遺跡のある村"Bang Thong Khop"にてバスを下車し、遺跡入口まで歩くことになる。

 "Champasak"に宿泊した場合には貸し自転車の利用が便利である。"Wat Phu"までは片道約8km、ゆっくり走って1時間弱、途中に村、旧跡などが点在する。走る車も少なく田園風景の中のサイクリングが楽しめる。

 パクセよりボートにて行くことも可能であるが、時間がかかり、人が集まるまで待つことや、値段交渉も必要となる。日帰り訪問は不可能である。

参道と南北宮殿
神殿正面
 
中腹よりの眺め
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プラサート・プラ・ヴィハーン(THE PREAH VIHEAR TEMPLE)

 カンボジアの北部に位置する遺跡であるが、カンボジアからは訪問することが出来ない。断崖絶壁の上にあるからだ。タイとの国境近くプリア・ヴィヘア県北部に位置し"Dangrek"山の頂上にある。標高は625メートル。タイ王国側は自然公園(カオ・プラ・ヴィハーン国立公園)に指定されている。

 この寺院の呼び名はタイとカンボジアでは違う。タイでは"Prasat Phra Wihan"と呼ばれ、カンボジアでは"The Preah Vihear Temple"と呼ばれている。
 10世紀中旬から12世紀初旬に、300年以上の歳月を掛けて建造されたクメール寺院である。入口より中央祠堂までは900m余りある参道、四基のゴプラ(寺門)、階段で結ばれている。建造当時はシバ神と山の神が奉られていたが、現在は仏陀が奉られている。中央祠堂は回廊にて囲まれているが、がれきの山と化している。タワーは崩壊している。

 タイ側道路終点の右側には土産物屋などが並び、左側にビジターセンターがある。ここには歴史や周辺案内が展示されている。車止めを越え舗装道路を真っ直ぐ進むと、左手に有刺鉄線が巻かれたトーチカがあり、軍人の姿が見える。さらに進むと歩道となり、国境のフェンスがある。
 国境は浅い谷になっている。鉄鋼製の階段を降る。ここに鉄の扉がある。ここより先はカンボジアだ。右手にある小屋で入場券を買う。料金は$5又は200バーツであった。この遺跡訪問はタイ王国よりカンボジア王国へ越境するが、旅券と査証は必要でない。入出国のスタンプも押されない。観光のために数時間の入国が許されている。

 カンボジアに入ると、途端に絵葉書や小物などの土産物を売る観光客目当ての子供達がよってくる。アンコールワットなどと同じだ。
 ここはポルポト派が最後まで立てこもった所として知られている。観光客が訪問できるようになったのは1990年からである。現在も遺跡周辺は地雷が埋設されており、ドクロマークの警告表示が各所に見られる。遺跡脇の崖の上には大砲も残されている。外国人観光客は余り見られず、タイ人観光客が多い。
 

 私が訪ねたのは平日の午前中であった。"Ubon Ratchathani"を8時発のバスにて出発し、3時間余りでスムースに遺跡へ到着することができた。遺跡観光後、食事を済ませ帰途へ付くことにした。タイ側にある土産物店を3時発のソンテウにて出発し、"Phum Saron"へは何ら問題なく到着した。しかしここからのソンテウがなく、1時間ほどバス停にて待った後に歩くことにする。道路上は太陽が照りつけかなり暑く、交差点近くなどで通る車を待ちながら休み休み歩いていた。道路の両側は畑や住宅で、タイの田舎道である。こちらがヒッチハイクをした訳ではないが散水車に拾われ、途中の村の交番前で下ろされる。さらにここでかなりの時間待つことになる。この時点で時刻は5時を過ぎていた。

 "Kantharalak"へはかなり近くなって来ていたが、ソンテウは一台も通らない。警官も外国人が道路に立っているので気に掛けてくれていたようだ。やっと通りかかったソンテウを捕まえたのだが、この車はチャータされた物であった。後部には危篤状態の老婆がござの上に横になり、心配して同行する子供や孫が10人余り乗っていた。この車は村から町の病院へ行く途中であった。私は感謝しつつ乗せて貰うのであるが、針のむしろ状態であった。

 どうにか6時過ぎにバスターミナルへ到着することができた。しかし近距離バスの最終便は終わっていた。言葉も満足に通じずかなり途方に暮れる。窓口で他の方法を確認すると、最終の長距離バスが通るので待つように言われる。7時頃にバスが来て、"Ubon Ratchathani"へ到着したのは9時を回っていた。町中でバスを降り、屋台で粥を食べ人心地付く。「タイの田舎は車がないとかなり不便」が私への教訓として残った。

入場料:405バーツ(タイ側:自然公園200B+遺跡5B、カンボジア側:遺跡入場料200B、各料金は2004年5月現在)

交通手段
 近くの町"Kantharalak"より乗合トラック、ソンテウを利用して"Phum Saron"まで行く。距離は約20km余りある。さらにソンテウにて"Khao Phra Wihan"国立公園に入り、道路の終点まで行く。
 帰りも同じ交通手段を取るが、"Phum Saron"から"Kantharalak"までのソンテウがない場合もある。この場合はヒッチハイクをするか、バイクタクシーを利用することになる。観光シーズンにはバンコクからツアーバスも運行されている。

タイ、カンボジア国境
ナガ欄干と第一ゴプラ(寺門)
 
参道と第二ゴプラ
看板には"I have pride to be born as Kumer"と英語で書かれている
参道と第三ゴプラ
 
ナガ欄干と第四ゴプラ
中央祠堂
 
回廊
観光客、Poei Ta Di Cliff
タイ、ラオス、カンボジアの国境が見渡せる

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