裁判傍聴記

日本の裁判制度でも陪審員制度が検討され始めている。

裁判官だけでは現状に合わなくなってきている事である。

主に東京地方裁判所にて傍聴したときの感想や疑問などを記載します。

裁判傍聴方法 裁判の流れ 裁判用語 

大麻取締法
業務上横領
道路交通法
窃盗
売春防止法
建造物侵入
迷惑条例
覚醒剤取締法
詐欺未遂
有印私文書偽造
売春防止法幇助
業務上過失致死
詐欺(無銭飲食)
     

 
法務省旧本館
法務史料展示室、入場無料
開館時間:10時〜16時30分
東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎

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裁判傍聴方法

・東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎所在地:
 千代田区霞ヶ関1-1-4 電話:03-3581-5411
 地下鉄丸の内線・日比谷線霞ヶ関駅徒歩2分
 地下鉄有楽町線桜田門駅徒歩4分
 地図は此方を参照下さい

・裁判予定の確認:
 合同庁舎の正面入口を入ると右側に案内カウンターがある。ここで当日の裁判予定、法廷番号と開始時刻を確認する。予定表には担当裁判官名、事件番号、被告人名、犯罪名の他に新しい裁判か、継続審議中、判決なども記載されている。

 予定表は地方・簡易裁判所の刑事事件、民事事件、高等裁判所に分かれている。傍聴券の必要な裁判は案内カウンターの右側にある掲示板に配布場所と時刻が掲示されている。
 重大事件の裁判があるときは3カ所ある合同庁舎の入口が正面入口に制限され金属探知器によるチェックがある。(現在この検査は継続的に実施中)

・傍聴券の配布:
 正面入口手前の軒下にて実施される。コンピュータ抽選、先着順がある。
 傍聴券が必要な裁判予定

・入廷及び出廷:
 傍聴券の不要な裁判は誰の許可もいらず、時刻になれば入廷できる。途中入廷、出廷も可能である。傍聴できる人数は席の数で決まる。小法廷で約20人である。満席の場合には入口に満員の札が掛けられる。審議中の法廷で入口に満員の札が掛かっている時があるが、満員でない場合もある。(覗き窓のない法廷)

 殺人事件などの重大事件では各法廷の入口近くで持物検査、金属探知器及び身体に触れる検査があり、携帯電話の有無を聞かれる。男性は手荷物を預けさせられる。女性は何故か預けなくて良い。普通の事件は手荷物を持ってそのまま入廷できる。 
 社会に注目されている裁判の場合には報道席が確保され、審議開始前にテレビ撮影が行われる場合もある。

・その他:
 地下一階に食堂2軒、喫茶室1軒、売店、郵便局などがある。

裁判の流れ(刑事裁判)

冒頭手続き
証拠調べ手続き
弁論手続き
判決の宣告
 人定質問
 検察官の起訴状朗読
 黙秘権の告知
 罪状認否
 冒頭陳述
 犯罪事件に関する立証
 被告人質問
 情状に関する立証
 証人尋問
 検察官の論告、求刑
 弁護人の弁論
 被告人の最終陳述
 弁論終結
 判決朗読

裁判用語

用 語
解 説
 人定質問  裁判長が被告人に対して、氏名、本籍地、住所、年齢などを確認する質問
 主尋問  証人を申請した側が最初に行う尋問
 反対尋問  相手側が行う尋問
 誘導尋問  質問する人が期待する答えがすでに問いの中に暗示されているような尋問
 公訴事実  起訴状に書かれている犯罪の立証
 罪状認否  被告人や弁護人が公訴事実を認めるか否か、意見を述べること
 同意  相手方が提出した書証に対し、取り調べることを認めること
 不同意  相手方が提出した書証に対し、取り調べることを認めないこと
 検面調書  被疑者や参考人などが検察官の取り調べで供述した内容を記録した文書
 員面調書  司法警察官の取り調べを記録した文書
 甲号証  原告が提示する証拠
 乙号証  被告が提示する証拠
 丙号証  参加人が提示する証拠
 論告  証拠調べが終わった後に、検察官が事実や法律の適用などについて述べる最終意見
 弁論  弁護人の最終の意見陳述
 情状  犯行の動機や被害弁償の有無など、刑を決定する上で参考となる事実
 前科  以前に罪を犯して裁判により刑罰を受けたこと、10年にて刑の効力は消滅される
 前歴  行政処分などを受けたこと
 被告人  刑事事件で公訴を提起され、現在裁判を受けている人
 執行猶予  情状により刑の執行が猶予されること、猶予期間満了後は刑の効力は失う、
 期間は1年以上5年以下
 懲役  監獄に拘置して定役に服させること、一月以上15年以下
 禁固  監獄に拘置されるが、定役を科さないもの、一月以上15年以下
 勾留  被告人、被疑者を拘束すること
 拘留  拘留場に留置して自由を束縛すること、軽犯罪などで1日以上30日未満
 保釈  被告人が刑事裁判の進行中に、保釈金の納付により釈放されること

裁判所パンフレット(最高裁判所事務総局作成−受付にて配布)

1.裁判所(17ページ)
 裁判所とは、わが国の裁判所制度、裁判所の種類、いろいろな裁判、裁判に携わる人々、Q&A

2.法廷ガイド(裁判を傍聴する方々のために)
 法廷の様子、裁判用語、裁判の流れなど

3.法廷アラカルト
 法廷の様子、裁判用語、裁判の流れなど

日本各地の裁判所

 こちらを参照下さい

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2003年4月28日(月)13時15分−13時45分 詐欺(刑法246条)

東京地方裁判所 法廷412号(平成15年刑(わ)第864号)

 裁判官:松田俊哉
 検察官:男性1名(氏名不明)
 被告人:男性(38歳)勾留
 弁護士:男性1名(国選弁護人)
 傍聴人:1名

・起訴内容:
 平成15年3月3日台東区にある居酒屋、白木屋根岸店にて飲食代金3280円を支払わなかった。
 前科:なし
 前歴:2回(無銭飲食)
 
・被告人の証言:
 起訴事実は認める。
 高知県土佐清水市出身、現在無職、職を求めて東京に来た。吉原のソープランドで働こうと思っていた。お腹が空いていたので所持金がないのに係わらず店に入り飲食した。所持金は名古屋から東京に来る電車賃で使い果たした。当時の所持金は149円である。

・弁護士質問:
 白木屋へ弁償したか−両親より借りて支払おうとしたが白木屋が受け取らなかった。裁判終了後支払うことで了解が出来ている。
 両親との関係は−4年ほど連絡していない。
 今後の方針は−実家に帰り、職を探す予定である。

・検察官質問:
 両親と連絡を取らなかった理由は−消費者金融のことで諍いがあったため。
 飲食して捕まっても良いと考えたのか−そうだ。
 店に迷惑を掛けたと思っているか−思っている。

・裁判官質問:
 所持金はあるのか、どういう方法で田舎へ帰るのか−両親より借用する。

・検察官論告:
 過去2回無銭飲食している。反省していない。金額は少なくない。

・弁護士弁論:
 飲食代金は3280円である。常習ではない。社会内で更正すべきだ。2ヶ月間も勾留されている。

・求刑:懲役1年

・次回公判:5月6日13時05分

・判決延期の理由:
 今日判決は出せるが被告人に所持金がないため、執行猶予付きで出所した場合問題がある。家へ帰る資金が調達できるまで延期する。 
 

*:被告人は過去2回無銭飲食の前歴がある。上申書を提出することにより事件にはなっていない。今回は居酒屋の飲食代金3280円を支払えなかったことにより逮捕勾留され、起訴された。今回の事件は無銭飲食で逃亡したわけではないので、支払いの算段が付けば事件にも成らない事案だ。
 前回の傍聴でも生活保護を受けていた68歳の男性が2400円の無銭飲食で逮捕された同様な事件があった。住んでいたアパートは家主との諍いで出たことにより、生活保護も受給できなくなり、無銭飲食で逮捕勾留されるに至る。今後更正緊急保護を申請する予定と話していた。

 生活に困窮した場合人はどう行動するかが問われている事案だ。住むところもなく、金銭を得る手段もない、腹も空いている。役所は相談するところではなく、安易な手段として刑務所に入ることを選ぶ人がいる。
 行き場のない人をどう助けるか社会が問われている。現状は住所がないと生活保護を受けることもできない。国は生活保護を受けにくく運営している。日本国民は憲法により「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が保証されている。しかしホームレス生活を選ばざるを得ない人々が多くいる現実があることだ。

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2002年9月6日(金)13時15分−14時15分 業務上過失致死(刑法211条)

東京地方裁判所 法廷409号(平成14年刑(わ)第2322号)

 裁判官:川口宰護
 検察官:男性2名(竹村彰、磯村健、高坂富士夫の内の2人)
 被告人:男性(68歳、小柄)保釈
 弁護士:男性1名(国選弁護人)
 傍聴人:3名(関係者1名、その他2名)

・起訴内容:
 平成13年11月練馬区の交差点にて軽ライトバンを時速5kmほどの速度で運転し右折時に自転車と衝突した。被害者は脳挫傷にて当日死亡。被害者の年齢は59歳、近くの小学校でホームヘルパーをしていた。
 前科:なし
 前歴:信号無視1回
 
・被告人の証言:
 教育用品の販売をしている。取引先は小学校等である。娘に言われ孫を迎えに幼稚園に行った。幼稚園近くの道路は他の車が駐車していたので右折した。自転車と衝突するまでその存在に気付かなかった。自転車がどの方向から来たのかは不明である。
 事故後3ヶ月にて示談は成立している。損害金4000万円、香典10万円を支払った。保険会社から被害者と賠償金の話はしないように言われ指示に従った。
 事故後車は運転しないようにしている。娘達が使う為車は現在も2台所有している。事故後60日間免許停止、講習終了後30日間になった。
 毎朝夕被害者の冥福を祈っている。

・妻の証言:
 結婚40年。軽ライトバンには後ろの席に同乗していた。衝突するまで気付かなかった。事故後自動車を運転する場合には注意するように気を掛けている。
 
・検察官論告:
 事故後病院に同行しなかった理由は何か、
 被害者の妻と折り合いが悪いようだが通夜時の発言に問題があったのでは、
 注意義務を怠り今回の事故になった。

・弁護士弁論:
 今回の事故は安全確認を怠った事による問題だ。被害者は下り坂を下ってきた可能性がある。今までは優良運転者であった。

・求刑:懲役1年2ヶ月

・次回公判:9月19日11時10分、409号法廷
 

*:警察官が作成した調書に対し弁護人が指摘した反論点は被害者の自転車が走ってきた方向であった。被告人もこの点は認めていない。調書には走行中正面に黒い影が見えたと書かれているようだ。
 交通事故等で被害者が死亡し他に目撃者がいない場合には状況を説明できるのは加害者だけとなる。事故の処理も加害者が有利に処理される事も多い。

 交通事故の裁判を傍聴していて感じることは双方の走行速度等が争われることが多いが確認のしようがないことだ。法廷速度を守っていたか、信号の状況は、優先権はどちらに有ったか、被害者の過失を確認出来れば加害者の罪も軽くできるからだ。
 事故後に警察官が作成する調書時点で被害者と加害者が決定していることが多いのも問題だ。作成者の筋書きで処理される可能性が大きい。この現実は交通事故だけでなく、刑事事件等にも当てはまるようだ。

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2002年8月30日(金)14時30分−15時30分 売春防止法違反幇助(刑法62条)

東京地方裁判所 法廷520号(事件番号不明)

 裁判官:川口政明
 検察官:氏名不明、男性(中島行博、樋口政行、川島義弘の内の一人)
 被告人:男性(48歳、大柄、白髪短髪)保釈
 弁護士:男性1名(国選弁護人)
 傍聴人:12名(関係者1名、その他11名)

・起訴内容:
 2002年5月11日池袋の路上でのコロンビア人売春婦の見張りを組事務所に出入りしているNに指示していた。
 前科:2犯
 
・被告人の証言:
 暴力団組長。鹿児島県出身。コロンビア人売春婦と日本人や外国人客とのトラブルに口利きや警察の取り締まり対策をしていた。所場代として1人一日8000円を徴収、管理している売春婦は5人前後いて月額120万円程の収入を得ていた。Nに金の徴収や監視の実行行為を指示していた。Nは現在裁判中。

・内妻の証言:
 池袋の居酒屋代表、被告人とは1997年に結婚、一児を設ける。その後離婚、再婚を繰り返した。今まで郷里鹿児島に居たが現在は同居している。来春子供が小学校に入学するのでそれまでに再婚する予定。

・裁判官質問:
 現在の仕事は−居酒屋手伝い、清涼飲料の販売、
 組を止める可能性は−直ぐにはたためない、今後縮小したい、最終的には郷里に帰り農業などをしたい、
 現在売春婦の集金はどうなっているか−今は集金していない、他の組が係わっている可能性はある、
 売春婦の縄張りは−特別にはなく知り合った女性である、
 今後の売春婦管理は−月額120万円程の利権があるが止める、
 共犯者Nとの関係は−7〜8年前に知り合った、今年3月より集金を依頼した、
 今後の仕事は−タクシーの洗車業務をする、月80〜100万円の収入が見込める、 
 
・検察官論告:
 暴力団幹部である。組員を利用して所場代の集金をしていた。再犯である。

・弁護士弁論:
 反省している。

・求刑:懲役3ヶ月

・判決:懲役3ヶ月、執行猶予3年
 

*:裁判官は執行猶予3年付与に対し「懲役3ヶ月との関係でもっと短くても良いのだが今後のこともあり3年とした。」と判決の理由を述べた。
 執行猶予とは刑の執行を猶予して犯罪を犯した人の更正を見守る期間と一般的になっているが疑問も多い。裁判官や警察官などの犯罪を取締、摘発する業務にある人間が犯した犯罪に対しても執行を猶予するのは疑問に思う。明らかに一般人の犯罪とこれらの人々の犯罪は違う。敢えて言えば法律を熟知し取り締まる立場にあった人にまで執行猶予を付与するのは考え物だ。
 警察官の犯罪が最近明らかにされる事が多くなったが、一般人であれば逮捕収監されている犯罪に警察官は身元が明らかとの理由だけで逮捕を免れている。これも大いなる疑問だ、取り締まる人間と取り締まられる人間という身分により明らかな差別が存在しているのだ。

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2002年8月30日(金)13時30分−14時10分 有印私文書偽造、同行使、詐欺未遂、窃盗(刑法159条、161条他)

東京地方裁判所 法廷403号(平成14年刑(わ)第2420号等)

 裁判官:合田悦三
 検察官:氏名不明、女性、30歳位(勝山、高垣、吉野の内の一人)
 被告人:女性(28歳、小柄、痩せ形、茶髪)勾留
 弁護士:男性1名(国選弁護人)
 傍聴人:16名(関係者5名、女子高生9名)

・起訴内容:
 2002年6月20日池袋丸井店で持田亜由美名の偽造社員証を提示しメンバーカードを取得し、現金支払機にて10万円を取得した。同日上野丸井店で小林清美名の偽造社員証を使いメンバーカードを申請した。
 両店で申請した電話番号が同じだった為店員に疑念を抱かれ警察に連絡されて現行犯逮捕される。7月11日、8月20日の2回に分けて起訴された。
 前科:なし
 前歴:なし

・被告人の証言:
 起訴内容は認める。
 サラ金に350万円の借金がある。現在借金の追加が出来ない状況である。インターネットの借金一本化を相談するサイトの掲示板で知り合った「ユウキ」と名乗る男(氏名不詳)の指示により写真貼付の社員証を偽造し、犯行に及んだ。成功報酬の比率は協議していない。
 大阪市出身、1997年より税務事務所勤務。

・次回公判:9月27日11時00分、403号法廷
 

*:13時30分の開始が検察官の書類不備で10分ほど遅れた。この事件は4件の罪状にて起訴されており裁判開始時に全件を同時に審議することが弁護人の申請にて決定した為10分間休廷、裁判官退席となった。
 被告人に対し命令口調で話す裁判官が時々いるがこの裁判官も同様で、被告席に「立ちなさい」「座りなさい」と指示を出すのを聞いていて、罪が確定していない被告人を命令口調で指示するのは裁判官のあり方として疑問に思われた。

 この女性被告の経済的破綻と日本経済の行く末を考えると私の気持ちは重苦しく成らざるを得なかった。このままの状態で行くと日本経済は破綻して銀行預金引き出し停止、通貨切り下げ、超インフレと進行して行く事は明白であろうが、今まで国費を浪費し財政赤字を垂れ流した政治家が罪に問われることもないであろう。
 この女性ももう少し知恵を働かせれば罪を犯すこともなく現在の苦境から脱出する事が出来たはずだ。自己破産の選択や違法な高金利の削減交渉、または水商売などで働き高収入を得ることにより弁済出来たと思われる。今回はインターネットの掲示板にて知り合った男の指示に「藁をも掴む気持ち」で安易に従い犯行に及んでいる。
 この被告は裁判中常に下を向き顔を上げることがなかった。
 
 

2002年9月27日(金)11時10分−12時10分(第二回公判)

東京地方裁判所 法廷403号(平成14年刑(わ)第2420号等)

 裁判官:合田悦三
 検察官:氏名不明、男性、40歳位(勝山、高垣、吉野の内の一人)
 被告人:女性(28歳、小柄、痩せ形、茶髪)保釈
 弁護士:男性1名(国選弁護人)
 傍聴人:4名(関係者4名)

・母の証言:
 現在病院で看護職をしている。給料は手取りで16万円程である。娘が高校2年の時に離婚し親権が父親に移った為それ以来別居している。娘の借金を知ったのは今年の4月である。借金額は当時の話では150万であったが判明しているのは600万円である。
 今年四月に100万円を援助した。保釈後同居している。娘を監督していくことは可能と思う。現在弁護士と相談し大阪の裁判所に破産申請をしている。保釈金は自分の姉が支払った。

・被告人の証言:
 大阪から東京に来て今回の犯行に及んだ。大宮、川口、池袋、上野の各丸井でカードを作ろうとした。借金は引越費用や父親の事業資金(お好み屋)に利用した。借金額は拘留中に計算し直したら600万円になった。
 父親からの資金提供を断れなかったのは見栄があったからだと思う。借金のことは身近な人に相談すれば良かった。
 父親と別居し身障者の弟の面倒を見ていた。弟は現在父親と住んでいる。保釈後税務事務所を退職し現在は建設会社で一般事務をしている。母親から借りたお金は後々返したい。

・検察官質問:
 家族に相談せずに何故インターネットで知り合った男に相談したのか。法律相談に何故行かなかったのか。保釈金は誰が支払ったのか。

・裁判官質問:
 身近の人に借金処理を相談することもなく今回の事件に至った理由は−
丸井からいくら位の金額を引き出そうとしたのか−月末までに20〜30万円が必要であった。
相手に支払う成功報酬について−決定していなかった。半分ぐらいだと思っていた。
本日傍聴に来ている人は−叔母さん、その他の人は言いたくない。

・弁護士弁論:
 直接の被害者丸井に元金と利子を含め弁償している。現在被害者はいない。借金は大阪にて弁護士に相談し裁判所に破産申請をしている。再犯の可能性はない。執行猶予を付けて欲しい。 

・求刑:懲役2年、丸井クレジットカード返却

・判決:懲役2年、執行猶予4年、裁判費用支払い
 

*:判決を言う前に裁判官は被告人が大阪から東京に来るのに費用が掛かるのでと今日判決を出すことの理由を述べた。更に各罪状の理由を解りやすく説明し、今回の事件は自分の利益を計るために起こした犯罪であり、3ヶ月から15年に該当するが初犯である事、更に70日間勾留され反省したと思うのでと判決理由を述べた。

 被告が身近の人に借金を相談することもなく今回の事件に至ったことに裁判官も理解し難かったようだ、首を傾げていた。
 理由不明だが検察官が前回の女性から男性検察官に代わった。傍聴人も関係者らしき人々だけとなった。裁判官も傍聴人に興味を感じたらしく被告人に誰が来ているのか尋ねていた。被告人は叔母が来ていることは話したが他の人については答えなかった。裁判官は話したくないのかと執拗に確認をしていた。

 傍聴人はこの裁判官はどの様な判決を出すのか、裁判が公正に行われているのかを傍聴に来るわけだが、裁判官も傍聴人が気になるようだ。今回の傍聴人は被告の関係者でないのは私一人であったようだが、人のプライバシーを覗くことになる裁判傍聴に気恥ずかしさと物悲しさを感じる事になった。

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2001年12月20日(木)13時15分−14時15分 詐欺未遂

東京地方裁判所 法廷408号(平成13年刑(わ)第3465号)

 裁判官:若園敦雄
 検察官:倉又彰、勝山浩司
 被告人:男性(31歳、小柄、痩せ形)勾留
 弁護士:男性2名(国選弁護人)
 傍聴人:5名(関係者2名)

・起訴内容:
 2001年11月2日渋谷ビックカメラハチ公口店で高橋健名の偽造JCBクレジットカードにてデジタルカメラ2台を購入しようとした。
 前科:1999年10月詐欺にて逮捕2001年3月仮出所
 前歴:窃盗6件、少年院送致

・被告人の証言:
 お金が欲しかったので今回の事件を起こした。マレーシア人の指示により動いた。刑務所で知り合ったMの誘いにより犯行に及んだ。10万円を慰謝料として支払う用意がある。
 3月出所した後2ヶ月間引越会社で荷分けをしていた。
 前回の事件は弁護士より事件の責任を被るように言われた。弁護費用はMが支払った。

・義父の証言:
 新聞の拡張員を7年している。被告人の母と4年間同居している。被告人の将来は新聞の拡張員を考えている。

・検察官論告:
 実在者のクレジットカードを利用した。今まで2回同犯罪で逮捕されている。今回の犯罪は報酬目当てである。

・弁護士弁論:
 今回の報酬は3−4万円である。Mの指示による。反省している。示談申し入れをしている。

・求刑:懲役2年6月

・次回公判:12月27日14時40分、408号法廷
 

*:今回の事件でもそうだが世の中には意志薄弱な人がいる。友人関係が壊れるのが嫌で犯罪を引き受けたと話していた。裁判を傍聴していて感じることは犯罪を起こす人には確信犯、生活に困ってやむを得ず起こした生活犯、等その人の性格、生活状況によりいろいろである。

 裁判所は犯罪を起こした人間を裁けばそれで終わりかも知れないが、再犯を防ぐためにも犯罪者の出所後の生活をどうするかが大きな問題である。これは行政の問題であるが、ほとんど機能していない。大阪におけるホームレスの状況をヨーロパより放置していると名指しされたが先進国ならば恥ずかしいことだ。行政は何等対処せず、生活保護を受けさせないようにしている感がある。

 生活困窮者が刑務所に入りたいが為に犯罪を起こす。これなど無駄な裁判費用と刑務所費用を税金から出さざるを得ない。その様な状況にある人々を援助する施設が必要である。

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2001年11月14日(水)14時15分−15時20分 覚醒剤取締法

東京地方裁判所 法廷520号(事件番号不明)

 裁判官:川口政明
 検察官:坂本
 被告人:女性(40歳、小柄、痩せ形)勾留
 弁護士:男性1名(国選弁護人)
 傍聴人:8名(関係者1名)

・起訴内容:
 2001年9月12日神奈川県大船市の作業員宿舎内で覚醒剤水溶液を婚約者52歳と使用容疑で現行犯逮捕される。
 前科:2000年8月住居侵入で懲役6月、執行猶予3年。

・被告人の証言:
 起訴事実は認める。執行猶予中に事件を起こしたことに対し、自分自身を守るべき物がない、生きていてもしょうがないと思っていた。
 広島ではガソリンスタンドで働いていた。婚約者の娘が来年看護学校受験の為面倒を見ていた。今後婚約者と助け合って生きていきたい。覚醒剤は二度とやらない。

・婚約者の証言:
 広島県呉市在住、配管工52歳。覚醒剤所持0.023gで懲役1年6月、執行猶予3年の刑が確定。覚醒剤は1988年頃より使用していた。足と首の障害6級。子供1人
 被告人とは2000年9月辻堂のピンクサロン「マリリン」で知り合う。結婚する約束で呉市の県営住宅に娘と3人で同居。出張工事で藤沢に長期滞在していた。そこに被告人が婚姻手続きの件で訪ねてきて今回の事件になった。被告人と結婚する意志に変化はない。弁護士に婚姻届は捺印して渡してある。

・検察官論告:
 執行猶予中なのに犯罪を犯した。社会内での厚生の可能性はない。覚醒剤を常用している。

・弁護士弁論:
 北海道旭川に両親に預けた子供がいる。道立の進学校卒業後看護学校に通い、看護助手をしていた。結婚して女子を設けたが夫と離婚し、駆け落ちのように東京に出てきて男の知人の空き家に滞在していて前回の犯罪になった。その頃から覚醒剤を吸引していたが常用ではない。反省している。

・求刑:懲役1年6月

・判決:懲役1年2月、未決勾留10日参入、弁護士費用は免除。
 判決内容は厳しく、酷とは思うが証人が東京にいる時に判決を下した。婚約者と一緒に広島に帰れたら良かったが今後更正して欲しい。
 

*:2人が覚醒剤常習者で更正していくことの難しさを裁判官、検察官も言及していた。被告人の証言に対し裁判官は「今の貴方の気持ちは裁判所は信じる。しかし今の気持ちが続くかが問題だ。自分の人生だから自分で選択して生きていくことだが、自分を大切にして欲しい。」また反面「二人で覚醒剤を利用しセックスをする自堕落な生活だ」と話していた。
 女性の被告人のためか傍聴者も若い女性が大半を占めた。
 裁判官が神奈川県で発生した事件が何故東京で裁判になっているのかを被告人に尋ねていた。しかし本人は解らないとの返事であった。
 この事件の摘発が覚醒剤の売人による情報か又はその他の情報によるどの様な経過で検挙されたかは明らかにされなかった。
 被告人のプライバシーが裁判で明らかにされるのは犯罪に係わる部分は当然であるが、多くは弁護士の弁論で「この様な不幸が続いた」という形で明らかにされ情状を得る手段とされている事が多いようだ。

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2001年11月5日(月)10時−11時10分 大麻取締法(24条)

東京地方裁判所 法廷520号(事件番号不明)

 裁判官:川口政明
 検察官:澤田正史、外ノ池和也
 被告人:男性(29歳、小柄、痩せ形)保釈
 弁護士:男性2名(国選弁護人)
 傍聴人:11名(関係者1名)

・起訴内容:
 2001年9月1日深夜、目黒区内の公園で悪戯書きを消し、猫の絵を描いている所を警官に職務質問され、所持していた大麻0.225gにより現行犯逮捕される。自宅捜査により大麻樹脂0.06g、乾燥大麻0.07gが発見される。大麻含有の鑑定書提示。証拠品の提示。母親の証言朗読。

 前歴:1994年覚醒剤、大麻所持により逮捕、起訴猶予。

・被告人の証言:
 起訴事実は認める。16歳頃より音楽の制作をしている。パチンコ店等のイメージソングを制作した。大麻は音感を得るのに利用した。現在は牛乳の拡張員をしている。逮捕後1ヶ月間拘留され後に保釈された。大麻は六本木でイスラエル人より5gを25000円で購入した。
 前回の事件の覚醒剤は渋谷で会った女性を家に送った時に貰った。吸引はしていない。
 6年程つき合った女性と別れた。現在精神科に通院している。薬は抗鬱剤と、精神安定剤を服用している。
 音楽制作活動は現在休止している。刺青を消す手術をする予定。

・父親の証言:
 洋酒の輸入製造をしている。社員100名。音楽関係の人が大麻を利用した事件があり心配していた。今後は音楽以外の仕事をさせたい。家族と同居して監督していきたい。

・検察官論告:
 大麻を合計0.29g所持していた。再犯性がある。厳重に処罰すべきだ。

・弁護士弁論:
 大麻は今年の4月頃より使用していたが期間が短い。前回の逮捕時から7年を経過している。

・求刑:懲役8ヶ月

・判決:懲役8ヶ月、執行猶予3年、弁護人費用支払い。
 

*:今回の裁判で検察官の証拠文書説明中普通は提示するだけだが今回は学生の傍聴者が多くいた為か裁判官が数点の文書の朗読を指示していた。
 検察官が被告人に証拠品の大麻を見せて「これは貴方の物ですか」「放棄しますか」と確認していた。
 覚醒剤の場合は尿検査されるが、大麻の場合はどうなのか、あくまでも所持が問題のようである。大麻密売人の捜査はどの様に進展したのか興味があるが一切不明。
 大麻は大麻取扱者免許を都道府県知事より受けることにより所持栽培できる。大麻取締法は昭和23年7月10日施行。

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2001年10月11日(木)11時−11時50分 業務上横領(刑法253条)

東京地方裁判所 法廷404号(事件番号不明)

 裁判官:秋葉康弘
 検察官:氏名不明、男性(吉崎孝司、白川哲也の内の一人)
 被告人:男性(41歳、無職、中肉中背、毬栗頭)勾留
 弁護士:男性
 傍聴人:3名(関係者3名)

・起訴内容:
 パチンコルーパ曳舟店の運転資金1291万円を横領。
 前科、前歴:窃盗前科2件、窃盗前歴1件。

・被告人の証言:
 起訴事実は認める。今回の事件は女性従業員とのセクハラ事件がきっかけで、社長より一方的に叱責、一ヶ月の謹慎、妻の解雇があった。
 横領した金はスナックの女性との遊行費、プレゼント(ブランド品の鞄など140万相当)、タクシー、ホテル宿泊費、ローンの支払いに利用した。
 金を持ち出したときは死ぬつもりであったので生命保険で充当して貰うように書き置きをした。妻とは離婚するつもりで離婚届に判を押して渡した。
 罪を犯したことは悪いと思っているが、会社に対しては悪いとは思っていない。私は社長よりいじめにあった。
 
・妻の証言:
 平成7年より内縁関係にあり、2年前に入籍した。
 1年前に知人の紹介でパチンコ店店長になる約束で関西より東京に来た。今年3月にマンションを購入した。
今の気持ちは離婚する気はない、彼を支えていきたい。
 被害額に対し現金140万円、物品返却、今後も弁済するつもりだ。

・検察官論告:
 前科前歴が3件あり再犯の可能性性が高い。セクハラ事件も自身が引き起こした問題である。厳重に処罰すべきだ。

・弁護士弁論:
 相手を困らせてやろうとして起きた事件である。被告人は厭世的になり今回の事件を引き起こした。被害額を弁償する意志がある。

・求刑:懲役3年

・次回公判:10月25日13時20分、法廷404号
 

*:今回の被告人は被害者に対して悪いとは思っていないと証言した。私はいじめにあったのだ。その気持ちから死ぬつもりで金を持ち出した。
 一般的に被告人は反省していますと言う。また裁判官もそう言わせようとする。法を犯し社会に反逆した非をわびると言うことだ。この件に関しては彼は認めた。しかし被害者に対しては認めないと言った。この発言に弁護人は戸惑いを示した。これに対し裁判官は何故会社を辞めなかったのかと質問していた。被告人は生活のことを考えると辞められなかったと答えていた。

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2001年7月10日(火)11時−11時40分 道路交通法(119条他)

東京地方裁判所 法廷403号(平成13年特(わ)第2262号)

 裁判官:秋吉淳一郎
 検察官:氏名不明、男性(辻、西川、橋本の内の一人)
 被告人:男性(25歳、内装業手伝い)保釈
 弁護士:女性
 傍聴人:4名(親族2名)

・起訴内容:飲酒運転
 2000年9月の夜に飲酒運転取締の検問で1リットル中0.31mlのアルコールが検出され検挙される。
 前歴:飲酒運転2件、酒気帯び運転5件、免許停止3−4件(酒気帯び、駐車違反等)

・被告人の証言:
 起訴事実は認める。缶チューハイ1250mlを飲んだ後飼い犬が骨折したため獣医を捜しに出かけたところ検問にあった。

・父親の証言:
 2000年8月自営会社が倒産、月20万円を返却している。家を移ったが狭いため息子達とは別居中。

・検察官論告:
 前回の裁判の執行猶予期間後直ぐに同様な違反で検挙されており再犯の可能性が高い。家から駅までの1.1km余りの短距離で車を使う緊急性がない。他の交通手段が考えられる。事件時家に弟及び女友達がいたが飲酒運転を阻止しなっかった。
 証人に対して前回の裁判時に監督することを約束しているが今回はどのように監督するのか。

・弁護士弁論:
 飼い犬が骨折し獣医を探しに行くために運転した緊急性のある行為である。アパートの家賃を被告人が支払っており収監されると弟の生活が困窮する。収監されると仕事の再開に支障を来す。

・求刑:懲役3ヶ月

・次回公判:7月19日15時30分、法廷406号
 

*:被害者のいないこの様な裁判は如何に被告人を反省させるかにある。交通違反で捕まることは一般的には運が悪かったと言うところか。
 前回の裁判傍聴で第一生命の20代の社員が無免許運転で検挙された事件があった。長期間無免許で車を仕事に使っていた、成績を上げるためには車は必要であったと証言していた。しかし検挙されたことにより会社から解雇されたようだ。此の事件も被害者がいたわけではない。個人の自覚、法を守る意志が問題か。しかし法律は運営する側、取り締まる側の都合でどうとでも変わるのが現状だ。労働三法などの違反ではほとんど検挙されない。まして警察内でお手盛りがあれば何をか況やだ、人に厳しく自分に甘くでは法と秩序を言う以前の問題だ。

 104号法廷で午後から許永中(野中栄中)被告他3名の裁判が行われていた。裁判席と傍聴人席の間には防弾ガラスの仕切が設置され、傍聴人が入廷するときには四人の警官が許永中被告をガードする如く盾状態であった。石橋産業の顧問弁護士の証人喚問、許被告を除く被告人二人の弁護士による質問が行われた。一人の被告が鬱状態で検事の取り調べに正しく答えられなかったとの発言の時に検察官が失笑したことに対し不謹慎だといさめた木下主任弁護士の対応は見物であった。

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2001年7月2日(月)13時30分−14時40分 窃盗(刑法235条)

東京地方裁判所 法廷520号(事件番号不明)

 裁判官:川口政明
 検察官:氏名不明、男性(澤田、外ノ池の内の一人)
 被告人:中国人女性2名(C.M.1968年生、F.S.1960年生)勾留
 弁護士:男性2名
 通訳 :中国人女性1名
 傍聴人:1名
 その他:2名(出入国管理官)

・起訴内容:窃盗
 2001年4月イトーヨーカ堂北区赤羽店にてズボン7本を万引きし現行犯逮捕される。その他アクセサリーなど数点あるが立証されていない。 被害総額33、000円
 F.S.には不法滞在3年、偽造外国人登録書所持がある。

・被告人(C.M.)の証言:
 起訴事実は認める。2001年2月来日、今回で2回目の来日、住所不明、同居者が不法滞在しているから。
 来日目的は仕事を探すことだが見つからなかった。来日時40万円持参、逮捕時23万円所有。
 日本人と結婚しその後離婚、10歳の子供あり、以前はエステ、スナック、中華料理店で働く。

・被告人(F.S.)の証言:
 起訴事実は認める。1988年初来日し日本語学校に入学、100万円ほど送金した。中国で結婚、12歳の子供あり、夫には留められたが日本には働きに来た。商用ビザは友人が手配して取得。

・検察官質問:
 ズボンは販売するために取ったのではないか。被告人2名は今まで働いていたところが不明である。2月頃から常習的に万引きをしていたのではないか。

・判決:C.M.懲役1年 執行猶予4年
    F.S.懲役2年6ヶ月 執行猶予5年
    裁判費用の請求はなし
 

*:一回の公判で刑事裁判を処理する物であり、執行猶予を付けて国外退去となる。その準備もされており裁判終了後身柄を出入国管理局へ移された。
 検察官の求刑に裁判官がとまどい期間の違いを検察官に確認していた。しかしその後の判決は検察官の求刑そのままであった。窃盗1年、出入国管理違反1年6ヶ月でこれを足すと2年6ヶ月との説明であった。裁判官のそうなるのですかは笑った。弁護士も国選弁護人か形式的であった。

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2001年7月2日(月)11時−11時40分 売春防止法

東京地方裁判所 法廷406号(平成13年刑(わ)第2218号)

 裁判官:木口信之
 検察官:氏名不明、女性(辻、西川、橋本の内の一人)
 被告人:男性(33歳、中肉中背、茶髪)勾留
 弁護士:男性1名
 傍聴人:7名

・起訴内容:売春防止法違反
 2001年3月28日東池袋の電話ボックス内に買春勧誘のチラシを貼っているところ現行犯逮捕される。
 前科1犯(薬物取締法)、軽犯罪法違反8件(チラシ配布)、科料請求9千円の支払いなし,

・被告人の証言:
 起訴事実は認める。売春クラブの経営者に会ったことはない。前職は収入が少なかったため辞めて此のアルバイトをしていた。日当1万円、他の配布員は1.8万円である。1ヶ月の生活費は25万円程必要である。今後はボイラー技師の資格を取り就職したい。日本信販に借金が230万円ほどある。今後の生活のためにも自己破産も検討中。

・同居女性の証言:
 被告人とは約6年間同棲している。優しい人である。病気になったことがあり面倒を見てもらった。現在は病気も治ったので働いている。生活費は被告人が支払っている。被告人は1998年頃よりチラシ配布をしていた。

・求刑:懲役10ヶ月

・次回公判:7月10日13時20分、法廷403号
 

*:弁護士の弁護に重みが無く弁論朗読は事務的に感じられた。
 検察官の話でチラシの電話は暴力団関係者に転送されている。と言明しているが組織売春の解明努力が感じられない。又売春が悪と断罪しているが法律は組織売春を取り締まる物である。組織の摘発なしでチラシ配布要員のみの検挙では片手落ちだ。

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2001年6月21日(木)11時−12時 迷惑条例

東京地方裁判所 法廷529号(事件番号不明)

 裁判官:中谷雄二郎
 検察官:福垣内進、佃美弥子
 被告人:男性(40歳位、身長165cm、小太り、眼鏡)保釈
 弁護士:男性、女性各1名
 傍聴人:2名

・起訴内容:迷惑条例違反
 2001年4月12日JR山手線西日暮里−鶯谷間で通学途中の女子高校生の下腹部にスカートの中より触れる行為をし現行犯逮捕される。同様な行為の前科三犯、現在執行猶予中、5月7日保釈、高校生の時住居侵入で逮捕歴あり。

・被告人の証言:
 起訴事実は認める。

・父親の証言:
 72歳、長崎在住、父母は学校の教員、一人っ子で祖母に育てられる。被告人の自己中心的な生活、性格を変えるためにも父親として長崎に同居することも検討中。息子がアダルトビデオや雑誌を見ていたので家にあるこれらを総て処分した。

・妻の証言:
 会社に本人は行方不明と連絡済み、退職願を提出したが本人でないため不受理。1985年結婚、子供三人(中3,中1、小5)、夫婦生活は3年程無い、すれ違いの生活であった。身請け引受人になったのは15年生活を共にしてきた、離婚する意志はない、今後は電車に乗ることのない仕事にしたい。宅建管理士などを検討中、

・次回公判:7月2日15時30分、法廷529号
 

*:懲りない人だが第一印象、会社も辞め社会的制裁を受けているは弁護側の慣用弁護。アダルトビデオや雑誌を処分し、電車に乗ることのない職業に希望を託すのが精一杯と言うことか。それでは何等の解決にならないと思われる。
 
 

2001年7月2日(月)15時30分−16時20分 迷惑条例(第二回公判)

 裁判官:中谷雄二郎
 検察官:佃美弥子
 被告人:男性
 弁護士:男性
 傍聴人:4名(2名は前回の証人)

・弁護士質問:
 今回の犯行は何時思い立ったか。同様な行為は正式裁判後にしたのか。過去の反省はどう生かされているのか。
 被害者との示談は成立していない。

・検察官質問:
 家族が同様な被害にあったらどう感じるか。執行猶予の意味を理解しているのか。被害者に悪いと思っているのか。
 平成9年、平成10年に同違反で略式裁判、平成11年正式裁判で懲役6ヶ月執行猶予3年の判決が明らかにされる。

・被告人の証言:
 ミニスカートで色白の自分好みの女性に会い犯行を思い立った。女性がそんなに嫌がっているとは思わなかった。何時もと方向の違う電車に乗ったのは混んでいたからである。執行猶予中であるので逃げようと思った。今年は3−4回同様な行為をしている。ストレスの解消は酒が飲めないのでビデをの観賞をしている。会社に迷惑をかけないため退職した。今後は長崎で不動産関係の仕事をしたい。自己反省の意味でボランティア活動をしていきたい。自己中心的な考えを変えていきたい。

・求刑:懲役6ヶ月

・次回公判:7月10日13時20分、法廷529号
 

*:反省証言が繰り返しとなり裁判官から再三まとめろの要求があった。
被害者に対する気持ちと言うより他人に対する配慮の欠如が問題な気がする。

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2001年6月1日(金)14時30分−16時45分 建造物侵入(刑法130条)

東京地方裁判所 法廷403号(平成13年刑(わ)第1065号)

 裁判官:秋吉淳一郎
 検察官:氏名不明、男性(辻、西川、橋本の内の一人)
 被告人:チェン ヨンイー(中国人20歳、身長160cm、やせ形、黒髪)勾留
     ゼン ジャオ(中国人21歳、身長165cm、やせ形、髪を一部染めている)勾留
 弁護士:男性2名
 通訳 :女性1名(北京語−日本語)
 傍聴人:10名(中国人4名)

・法廷の状況:
 同時通訳装置を使用(ウエストバックに入ったワイヤレス装置)、通訳が中国人の為か最初に宣誓させていた。

・起訴内容:建造物侵入(刑法130条)
 2001年3月30日板橋区西台2丁目のビルに1階便所の窓を割り侵入、防犯装置が作動し警察官が駆けつけ3階に隠れているところを現行犯逮捕される。
    
・罪状の立証:
 誰がこの犯行を持ちかけたか、誰が装備(ペンライト、軍手2組、ドライバー、ガラス切り、ピッキング用具)を用意したかが争われた。

・チェンの証言:
 2000年4月に就学の手続きをして日本に来た、日本語学校に60万円支払い、15万円持参した。日本には叔母と妹がいる。生活費はアルバイトをして得た。(同居人の話として働いたことがないとの証言あり)在留許可は4月に切れている。
 仙台のパチンコ屋で友人が偽造カードを使用した窃盗の容疑で警察に事情を聞かれる。装備及び犯行の誘いはゼンより3月29日にあり池袋で待ち合わせた。ゼンが玄関の鍵をピッキングで開けようとしたが開かなかったので便所の窓を割り進入後玄関より入った。

・ゼンの証言:
 在留許可は2000年10月に切れている。ペンライト、軍手2組、ピッキング用具は自分が用意した。ドライバー、ガラス切りは自分の物ではない。3月29日の電話は自分がした。
 ピッキング用具は同居していた中国人が帰国するときにもらった。ピッキング用具の使い方を何時知ったかについては同居人が帰国の時、帰国後電話にてと変化。被害者にガラス破損の弁償金1万円の支払いを申請した。

・求刑:懲役1年

・次回公判:6月11日9時55分、法廷403号
 

*:被告人が日本人と外国人とでは裁判の雰囲気が違うように感じられた。通訳がいるのも一因であり、時間が掛かるのも一因か、被告人の呼び名もチェンがチン(陳)、ゼンがテイ(堤)と時々混乱していた。被告人の証言も食い違いが多かったがそのままにされた。
 一人の弁護士が数回話したことだが、凶悪でないこのような事件の裁判は厄介者を早く国外退去させればお終いと言う感が強い。執行猶予が付けば即国外退去、5年間又はそれ以上再入国不可。

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